治療

高位脛骨骨切り術(HTO)

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2024-10-08

関節外科

変形性膝関節症(OA)

定義

関節軟骨の欠損を生じ、関節周辺の骨組織に変化をきたした結果、生じた関節症状や徴候のある種々の疾患群。

  • 60歳以上で80%に何らかのレントゲン変化
  • 40%に有症状
  • 10%が日常生活に支障

治療

保存加療

①運動療法
②装具
③内服(NSAIDs)外用(湿布など)ヒアルロン酸注射

手術加療

内視鏡手術

①鏡視下滑膜切除
②マイクロフラクチャー

切開手術

③HTO・DTO
④UKA
⑤TKA
⑥モザイク(自家骨軟骨移植術)
⑦JACC(自家培養軟骨)

HTO・UKA・TKAのレントゲン画像
HTO UKA TKA
年齢 40歳から70歳くらいまで 70歳後半〜 60歳以上
患者像 中高年のスポーツ愛好家 80歳くらいの女性 やせ型〜中背 70歳〜80歳のO脚 肥満でも可
痛みの部位 内側 内側 内側、外側
入院期間 3ー4週 2ー3週 3週
重度のO脚 アライメント矯正は 改善する可能性がある 改善しない 改善する可能性がある
術前可動域 拘縮は不可 拘縮は不可 拘縮でも可
出血 ×
自分の骨の温存 ×
インプラント 1年で抜釘 将来的にTKA可 温存 ゆるめば再TKA 温存 ゆるめば再TKA
HTO UKA TKA
50歳〜70歳 △〜〇
80歳以上
重労働やスポーツ
重度のO脚 △〜〇 ×
外側も悪い × ×
可動域悪い × △〜×
肥満 △〜× △〜× △〜〇
MRIで前十字靭帯断裂 × ×
糖尿病 △〜〇 △〜× △〜×

高位脛骨骨切り術

O脚に伴う膝の内側の痛みに対して、脛骨を切って向きをかえて、内側への荷重圧を外側に分散します。
人工関節と違って、自分の関節を温存します。
6割の方が正座が可能な可動域を得られます。
術後1年で骨が癒合すればプレートを抜去します。
金属は残りません。
スポーツや重労働も可能な、人工関節の一つ手前となる手術です。
高齢(70歳以上)の方は骨がつきにくい可能性があるので、適応を選ばなくてはなりません。

HTOの各術式の特徴

HTOにはopen wedgeとclose wedge2種類の方法があります。

①open wedge

脛骨の内側から外に向かって骨を切り、内側を開いて隙間に人工骨をいれます。侵襲や合併症が少なく第一選択ですが、矯正角度に限界があります。

②close wedge

脛骨の外側から骨を楔状に切って切除して隙間を埋めます。多少侵襲が大きくなりますが(腓骨も切ります)角度の大きな矯正も可能です。

open wedgeとclose wedgeの画像

OWDTOの特徴

脛骨の骨切りに対して、脛骨粗面の遠位側で円弧状に骨切りします。
PF関節の位置が変わりません。
膝蓋骨低位がおきません。
膝蓋腱周囲に侵襲がありません。

デメリット
脛骨粗面に固定スクリュー1本追加
後療法をやや遅らせます(免荷1週)。

open wedgeとclose wedgeの画像

HCWHTOの特徴

メリット

大きな矯正角度にも対応可能

デメリット

やや侵襲が大きくなります。
腓骨の骨切りが必要
後療法を遅らせます(免荷1〜2週)。

当院のHTO術式プロトコール・症例

当院のHTO術式プロトコール

当院のHTO術式プロトコール図解

立位下肢全長Xp

立位下肢全長Xp画像

OWHTO術中写真

OWHTO術中写真

術前後のXp比較

術前後のXp比較画像
術前後の外観比較画像

術前後の外観比較

術前後の外観比較画像

術後経過

術直後シーネ固定し、手術翌日より離床します。
術後のCTで問題なければ膝を動かす練習(ROM)を開始します。
体重をかけない(免荷)期間、荷重制限をなしにする時期は術式や患者さんの体形、筋力、術後経過によって個人差があります。

装具の画像

当院の術式別の後療法(目安)

OWHTO OWDTO HCWHTO
ROM開始 2-3日 2-3日 2-3日
免荷期間 2-3日 1週 1-2週
荷重制限なし 1週 2-4週 4週
退院時期 2-4週 2-4週 3-4週

シャワーはシーネを外したら許可となります。
術後約10日で抜糸。
抜糸を終えてから超音波での骨癒合促進を開始します。(3か月間、1日20分程度)
退院後は約3か月の外来リハビリ(週2回程度、頻度は徐々に減ります)。

超音波治療の画像

約1年で骨癒合します。
骨癒合すればプレートの抜釘手術を行います。
3、4日の入院です。

HTOの特徴

  • 骨切りで内側のストレスを減らして、軟骨の再生促す手術すぐによくなるわけではありません。
  • 可動域はおおむね良好、スポーツ重労働も可。
  • 自身の関節を温存しているため万が一の合併症にも対応しやすくなります。
  • 骨癒合の目安は3〜4カ月、痛みがある際は無理に荷重しないことも重要です。
  • 骨癒合が重要(部分荷重、超音波、皮下注射など)。
  • 1年程度で骨癒合確認できればいつでもプレート抜釘可能。
    その際に内視鏡で軟骨再生を確認します。
  • 将来的に変形が進んでも人工関節へ対応できます。