病気

手根管症候群

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2020-07-21

手外科・外傷

手根管症候群とは(原因と特徴)

手根管症候群とは正中神経が圧迫されることで神経症状が生じる疾患である。手根管は手根骨と横手根靱帯で囲まれた管で、その中を1本の正中神経と指を動かす9本の腱が滑膜性腱鞘と伴って走行している。何らかの原因で横手根靱帯が炎症を起こし腫れることで正中神経が圧迫されると、手根管症候群を発症する。手のしびれや痛みの症状が、特に朝方に強くみられることが特徴である。また、更年期の女性に多くみられるが、日常生活や仕事で手指を酷使する場合にも発症しやすい傾向がある。

他の疾患との違いと特有の症状

手がしびれるときに疑われる疾患として、脳梗塞や頸椎疾患、糖尿病等も挙げられる。これらの疾患は、手以外にも身体の片側や足等にも症状が現れるのに対し、手根管症候群は親指から薬指の親指側の3本半だけがしびれ、小指にはしびれが生じない。手根管症候群は症状が進行すると、親指の付け根が痩せて、親指と示指でつまむ動作(OKサイン)等が困難になる。

検査と治療方法

初期段階の治療は安静にすることや、必要に応じてサポーター等の装具を着用する。しびれや痛みが強い場合は、炎症鎮静剤やステロイドの手根管内注射等の保存療法を行う。保存療法にて症状の改善がみられず、神経伝導速度検査(神経障害の程度を客観的に調べることができる検査)の結果で神経伝導速度が重度に低下している、または親指の付け根が痩せ始めている等の場合は手術が必要になる。手術は内視鏡を用いた鏡視下手根管開放術が低侵襲で主流となってきている。従来の直視下手根管開放術に比べて切開範囲が小さく日常生活への早期復帰も可能である。また局所麻酔で行うため、術中に患者と話をしながら患者自身に痛みが生じないか確認しながら手術を進めることができ、神経損傷を防ぐことができる。

当院での治療について

手根管症候群の治療については藤尾院長が“おはよう朝日”、産経新聞でも報道されました。最近では鏡視下で手首のところに1cm程の創のみで手術可能となっています。
手根管症候群とは手がしびれる疾患のひとつですが、脳梗塞や頸椎の疾患と間違われることがあります。図のように母指から環指(薬指)が主にしびれることが特徴で小指、環指の小指側半分はしびれないのが特徴です。放置しておくと母指球筋といってつまみ動作をするための筋肉が萎縮して、お箸を使いにくくなったり書字動作がうまくできなくなってしまいます。

まずは、専門医を受診し診断を受けることが大事です。早期であれば投薬、装具注射でも改善する可能性があります。重症度は診察と神経伝導速度検査といって電気刺激を行い神経の中の電気が走るスピードを測定します。
重症の場合は手術を勧めます。

局所麻酔で鏡視下手根管開放を行っています。(創は手首に一箇所のみです)

手術は日帰りで、約20分で終わります。局所麻酔で術中痛みはありませんが、安全のため内視鏡が神経にあたるとわかる程度の麻酔で行います。術後は日常生活はできますが、力仕事は約1ヶ月後からにしていただいています。